>2004年の『CHASM』以来、実に5年ぶりとなる坂本龍一のソロ・アルバム『out of noise』が完成した。この間、カールステン・ニコライやクリスチャン・フェネスなど“音響系”と呼ばれるアーティストとコラボレーションをしたり、またイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)として二十数年ぶりの海外公演を行いテクノとファンクの融合を試みたりと、実に精力的な活動を続けていた。それらを通じて得られた成果をベースとしつつ、「自分の聴きたい、好きな音を、大きなキャンバスに置いていった」と自身が語るように、本作は音の一つ一つ、音場の隅々まで、坂本の醗媼韻・咾・譴燭發里箸覆辰討い襦ま
> 『out of noise』……“ノイズの外へ”もしくは“ノイズから”とでも訳されるタイトルだが、ここでのノイズはいわゆる雑音のことではなく、“楽器によって奏でられたものではない音”の意味だろう。もともと自然界に存在する音を採取し、それにほんのちょっと手を加えることで音楽へと変貌させる。あたかも自然から音楽をすくい上げるようなその手腕を、とくと味わっていただきたい。